1990年代、映像業界でまことしやかに語られていた都市伝説があった。
とある地方のUHF放送局。視聴者からの要望があり高校野球の地区大会の実況中継をやることになった。 ただしそこには大きな壁があった。中継機材がないのだ。 今のようなインターネット中継がない時代。 映像の中継をやろうとすると、マイクロ波や光ファイバーなどの中継回線と中継車が必要だが小さな地方局ではそれが用意できない。 だが、音声は系列ラジオ局の実況中継の音声を使える。 では映像はどうするか。 とりあえず夏場なので涼しい映像を流そう、ということで金魚が泳いでいる金魚鉢をそのまま撮影して流したというのだ。 高校野球の試合の様子を伝える実況中継の音声とひたすら泳ぐ金魚の映像。
そんなシュールな番組があったら本来なら一般の人たちの間でも語り草になっていると思うのだが、今ネットで検索してみてもそういった情報は全く出てこない。 あれはやはり都市伝説のようなものだったのだろうなと思う。