明けましておめでとうございます。 旧年中は大変お世話になりました。本年もよろしくお願いします。
新年の挨拶だけでは味気ないので、2025年に発売されたカメラ・レンズのうち、個人的に興味深かったものを振り返りたいと思います。
カメラ部門
とりあえず買う予定はないので、純粋に興味を惹かれたものを挙げました。
ソニー RX1R III
一番驚いたのはこれですね。事前の情報もなく、なんか突然出てきたので度肝を抜かれました。
レンズは従来のSonnar T* 35mm F2をキャリーオーバーで、センサーは恐らくα7R Vと同等の61MP BSI CMOS、ISPをBIONZ XRに刷新と、手堅い構成です。 ポップアップ式だったEVFが固定式になってサイズが少し変わったり、バッテリー容量が大きくなったり、表面処理やグリップの質感も変わったりと、いろいろと細かい変更はあります。
一番大きな変更は価格ですかね。RX1R IIよりも20万円ほど値段が上がりました。 とはいえRX1R IIも40万を超える価格でコンデジとしては異例の高価格でした。 競合機種はライカQ3くらいですし、納得できる人だけが買う、そういう製品ではないかと思います。
Sonnar T* 35mm F2は、今となっては決して高性能なレンズではないでしょう。 オールドとまでは言いませんが、たとえばAPO-LANTHAR 35mm F2などよりは収差を感じられると思います。 しかし、2010年代の前半というソニーがキヤノン・ニコンを捉えるべくアレコレと頑張っていた頃に高級機として登場したRX1。 そういう時代の雰囲気を感じるにはこれ以上ないカメラではないか、そのように思うのです。
ニコン Z5II
最近のカメラ、ちょっと高すぎます。 時代が時代なので仕方ないとは思いますが、α7 VやEOS R6 Mark IIIの40万という価格を見るとため息が出ます。 R8はともかくα7C IIは悪くないですが、物理シャッターの先幕がないのとEVFがね…… しかしニコンは違いました。ちゃんとしたシャッターがついていて見やすいEVFもあるZ5II、これを25万円で発売してくれました。
いまやカメラの基本性能の進歩は行きつくところまで行き、今やベーシックの名のもとに一昔前の高速機のようなカメラがリリースされるような時代になってしまいました。 ソニーは「スタンダードを再定義する」としてα7 Vをリリースしましたが、あちらがスタンダードならこちらはベーシックなカメラです。
Z5IIは8割の用途において、不足のない性能をしています。 α7 VやEOS R6 Mark III、Z6IIIは残りの2割の用途において、Z5IIよりも優れているでしょう。しかしα1 IIやZ9には全く及ばない性能です。 この性能向上に15万円を払う価値があるのか。Z5IIを見てそんな問いが浮かんできました。
LOMO MC-A
高級コンパクトフィルムカメラの中古価格が高騰して幾年も経ちました。 ナチュラクラシカなんて10数年前は2万円で投げ売りされていましたが、今や中古が6~8万です。バカみたいですね。
そんな時代の希望となるのがこのMC-A。 総金属製のボディに高性能な単焦点レンズのAF機という、かつての高級コンパクトのテイストを踏まえたカメラがまさかの新発売です。
周辺減光やフレア、特殊な形状の絞り羽といったLC-Aの描写の特徴を踏まえつつ、しっかり写るように新設計されたMinitar IIレンズは興味深いです。 絞ってゾーンフォーカスにするもよし、AFに任せてとるもよし、いろいろな撮り方が出来るカメラです。
暴騰した中古の高級AFコンパクトを買うくらいならMC-Aを買ったほうが間違いないのは確かでしょう。
初期ロットは不良個体が結構まざってたっぽいですが、それがLOMOクオリティ
レンズ部門
買った、ないし買う可能性のあるレンズを挙げました。
コシナ Voigtländer APO-LANTHAR 28mm F2 Aspherical E-mount
28mmは伝統的な広角レンズの画角ですが、最近は不人気です。 EマウントにはFEシステム立ち上げ初期に登場したFE 28mm F2がありますが、高級レンズはありません。
24mmにはソニー純正のF1.4 GMやF2.5Gに加え、シグマのF1.4 ArtやF2 Contemporary, F3.5 Contemporaryといったレンズがたくさんありますが、28mmは本当に製品がありません。
そんな中出てきた唯一の選択肢がこのレンズです。
CP+2025でVMマウント向けのAPO-LANTHAR 28mm F2 Asphericalが発表されました。 CP+2025でミラーレス向けの計画について質問したところ「要望が大きければ出したい」とのことだったので「是非Eマウント向けをお願いします」とお願いしました。 私のような人が他にどれくらいいたのかわかりませんが、CP+から8か月後、E/Zマウント向けのAPO-LANTHAR 28mm F2が発表されました。
即日予約して発売日の12/12に入手してから、日々このレンズを着けたα7 IVを持ち歩いていますが、本当にいいレンズです。 MFを厭わない28mmが好きなE/Zユーザーは、このレンズを買って後悔することはないでしょう。
シグマ 20-200mm F3.5-6.3 DG | Contemporary
- ミラーレスになり設計の自由度が大幅に増したこと
- 昔よりも高性能な硝材が使えるようになったこと
- レンズの単価が上がったこと
このあたりの理由で、近年高倍率ズームは大幅な進歩を遂げました。 Eマウントではタムロン28-200mm A071、ZマウントではNIKKOR Z 24-200mmという素晴らしいレンズが2020年にリリースされました。
それから5年。ついにシグマがフルサイズミラーレス向けの高倍率ズームを発表しました。 それがこの20-200mm F3.5-6.3 DGです。
このレンズは本当にすごいレンズです。 まずワイド端20mm、テレ端200mmの10倍ズームであることがすごい。 そして28-85mmという最も使用頻度の高いであろう標準域でハーフマクロであることに驚きます。 極めつけにタムロンやニコンよりも軽いとくれば、もうケチのつけようがありません。
「このレンズ一本でなんでも撮らなければいけない」それが高倍率ズームを使う理由です。 超広角から望遠までをカバーし、標準域でハーフマクロまで寄れる。 実際に使うユーザーのことを徹底的に考えて作られたレンズだと思います。 高倍率ズームを検討しているのであれば、このレンズを買って後悔することはまずないでしょう。