2025年のATプロトークで紹介したリンクをまとめたもの。
2025年のatproto動向の簡易まとめとして。
カテゴリ外のトピック(イベントとかBluesky障害とか)は割愛。
プロトコル
atprotoの主要な仕様アップデート。
- com.atproto.lexicon.schema record
- notifyOfUpdate廃止
- relay(bsky.network)機能更新
- Bluesky PDSアカウント管理機能公開
- 公式のOAuthアップデート情報
- Lexicon仕様詳細のアップデート
- Blueskyの報告理由詳細化(proposal 0009実施)
- permission正式仕様公開
- atproto.comのデザイン改修
昨年末から議論されていたLexicon解決仕様の完成と、それを前提にしたOAuthスコープ仕様が今年の目玉。
まだ環境整備中といったところで、実用されるのは来年になりそうだが。
Sync v1.1を含むrelayの機能強化も大きな変化ではあるものの、bsky.networkはまだ古いまま。
来年初頭にはアップデートされそうなので期待。
atproto.comの更新準備も進んでおり、仕様は変わらないものの、エコシステムや使い方の説明が充実する予定。来年の頭にも出そうな雰囲気。
展望
正式な仕様ではないが、草案が出てるものからいくつかピックアップ。
- proposals 0008: ユーザデータ取扱の意向表明仕様案
- proposal 0012: PDS管理者へのモデレーション通知
- recordバージョン管理案
- 非公開データ検討状況
Bluesky利用者からの注目度が高いのはproposal 0008(特にAI禁止用途)と非公開データか。
後者は来年のメインテーマになりそう。開発者曰く来年中に実現したいそうだが、達成できるか懸念は残る。
PLC関連
did:plcはatprotoとは独立した仕様だが、元々atprotoから生じたものではあるので一応。
- did:plcの署名アルゴリズムの制限解放
- plc.directory運営独立への動き
- write可能なplc.directoryミラー
- plcbundle: 同期の検証が可能なPLCミラー
- plc.directory firehose
plc.directoryミラーについて様々な試みが行われている。
plc.directoryを頂点とする構造は変わることはないだろうが、その運営はBlueskyから独立させようとしている。
Bluesky
Bluesky管理下のインフラやBluesky社に関する注目のトピック。
個別の機能追加や改修はブログ参照。
- bsky appviewのDIDドキュメント
- 公式クライアントのCrowdin移行
- Blueskyのモデレーション事情とトルコの件
- モデレーション関連定義の一部を移行(com.atproto→tools.ozone)
- 開発用Bluesky内部リポジトリ導入のお知らせ
- ミシシッピ州法に由来するBlueskyアクセス制限
- Bluesky PDSへの出戻り(importRepo)解禁
- IETF atproto BOF
モデレーション周りは常に話題だが、今年は特に国の要請との兼ね合いで取り上げられた印象。システム的には公式クライアントの年齢確認基盤が刷新されたのが記憶に新しい。
IETFでの標準化にも本格的に取り組み始め、現在はWG結成を目指してcharterを練っている。
標準化には(うまくいったとしても)時間がかかるし、当面の対象はrepository構造などの基礎部分なので、影響が現れるのはまだまだ先の話だろう。
開発ツール
atproto上でサービスを開発する際に利用できるツールやインフラ。
他にもライブラリや実装は多数生まれているので、sdk.blue等を参照されたし。
- links: 汎用逆参照API
- バックリンクツール
- Turbostream: hydration付きjetstream
- Spacedust: リンクイベントfirehose
- PushAt: atproto用プッシュ通知サービス
- Slingshot: グローバルrecord取得&ID解決?
- ESAV: 汎用record検索&ストリーミングXRPC
- Slices: collectionインデックス
- deploy-recipes: 諸々のセルフホスト手順集約所
- lexicon SDK
- Quickslice: 特定collectionインデックスツール
- Tap: firehose&repository取得ツール
今年一番大きいのはなんといってもmicrocosmの登場だろう。機能はシンプルで、運用もRPI5に収まるようなもので、lexicon非依存のインフラを構築できるというのは発見が多かった。
Red Dwarfをはじめとした活用例も多く登場した。
公式もTapなどツール拡充を着々と進めている。開発ツールとは少し違うが、個人的にはgoatのhomebrew登録が嬉しかった。
ユーティリティ
エンドユーザーが直接利用するatproto関連ユーティリティ、みたいな雑多な括り。
基本的にはleixicon非依存だが、Blueskyブリッジも含めている。
- Eclipse: Nostr-Blueskyブリッジ
- mautrix: MatrixブリッジのBluesky対応
- Bridgy Fed: 複数プロトコルおよびWebサイトの相互ブリッジ
- wafrnのBluesky対応
- UFOs: collection統計・record取得
- ATP Airport: PDS引越し用ウェブツール
- Bounce: Bridgy Fedを使ったプロトコル間引越しシステム
- bsky.storage: ATmosphereConfで発表されたPDSバックアップツール公開
- XRPCでAP s2sを実装する改造PDS実験
- AT Backup: バックアップアプリ
- PDS Moover: シンプルなPDS移行ツール
ATmosphereへのインパクトでいえばやはりBridgy Fedのatproto対応が一番大きいだろう。
APとのブリッジとして普及し、A New Socialが立ち上げられたりBounceが登場したりもした。
Bluesky PDSが出戻りを許可したことや、誰でも登録できるPDSが登場したことで、引越し関連も充実した。
サービス
atproto上に構築されたサービス・アプリケーション達。
基本的にはlexiconベースで選出しており、既存サービスに強く依存するものは除外している。Blueskyクライアントとか。
稼働中
一応12月20日時点でログインできたもの。
カテゴリは目立ったものを独断で幾つかピックアップ。
プロフィール・ウェブサイト
- @web: ウェブサイト
- AT Profile: プロフィールページ作成
- atpage: ウェブページ作成
- Basker: プロフィールサービス
- wisp.place: ウェブサイト構築サービス
- ligo.at: リンクページ作成サービス
長文投稿
- Plonk: スニペット共有
- Azsky: Bluesky長文投稿
- Leaflet: ドキュメント作成・公開サービス
- Snowpost: markdown投稿
- KPaste: テキスト共有サービス
- PiPup: ブログサービス(WhiteWind統合)
- GreenGale: ブログサービス(WhiteWind統合)
メディア
- BYOV: 動画共有サービス
- AtCast: ポッドキャスト
- Streamplace: ライブストリーム
- Grain: 画像共有サービス
- video.cerulea.blue: 動画共有(<512MiB)
- SoundSky: 音楽共有サービス
- AT-Transfer: atprotoアカウント間のファイル転送
- Skywell: ファイル(blob)共有
- plyr.fm: 音楽投稿サービス
その他
- ATGuilds: グループ作成
- RutHub: タスク管理
- roomy: グループチャット
- Rocksky: NowPlaying系サービス(開発中?)
- DrawAt: お絵描きチャット
- Tangled: gitコラボレーション(検索・issue等)
- Popfeed(旧Popsky): レビューサービス
- Flushes: トイレ報告サービス
- HuntersAt: モンハン自己紹介画像作成 (データ保存に独自record使用)
- at://2048: 2048(ゲーム)実装(スコア保存に独自record使用)
- Open Web Desktop: ブラウザ上で動くデスクトップ (状態保存やアカウント管理でatproto利用)
- xcvr: LRC(IRCライク)サーバー管理ツール
- Navyfragen: 匿名質問サービス
- skymap: マイマップ作成
- Anchor: チェックインアプリ(開発中)
- Snake Game
- Numinex: AIチャットログ共有サービス
- BluePocket: あとで読む
- Bibliome: 書籍リスト共有サービス
- Yōten: 言語学習記録
- SkyBeMoreBlue: 他アカウント紹介
- at://work: 求人情報サービス
- atpkgs: JS/TSパッケージレジストリ
- Nooki: 掲示板サービス
- kipclip: ブックマークサービス(community.lexicon.bookmarksベース)
- ATCR: Dockerコンテナレジストリ
- Bluenotes: Open Community Notes対応のBlueskyクライアント
- Semble: 研究者向けSNS
- AT Todo: todo管理サービス
- atproto.garden: atproto製のatprotoプロジェクトディレクトリ
- Sidetrail: 進行状況共有サービス(?)
- AtprotoFans: 支援プラットフォーム
- ATPollo: 投票作成サービス
Leafletは群雄割拠の長文投稿サービスの中でも利用者が多く、今ではWhiteWindを超えるほどとなった。(UFOs調べ)
他にはTangledやStreamplaceはイベント登壇頻度もあって(特に開発者から)知名度が高く、定着したように感じる。
自分の観測範囲だとリト1もちょくちょく使われているのを見かけるが、ブックマーク系では世界的にはSembleの方が強いか。
ベータ・招待制
動いているが、多くの人は利用できないサービス群。
将来は公式リリースを目指しているものもあれば、技術デモ的なものもある。
- Pinkgill: 多種コンテンツ混合共有・表示
- Cabildo Abierto: 議論(アルゼンチン向け)
- PMsky: 共同モデレーション
- Spark(旧Reelo): 動画
- blebbit: 総合コミュニティスペース
- Referendum: 米国政治プラットフォーム
- hypgen.ai: 科学的仮説自動生成&評価プラットフォーム
- If This Then AT://: 自動化プラットフォーム
- Germ DM: E2EEメッセージアプリ
- alcman: 読書記録サービス
- 音楽.club: 音楽投稿サービス
Sparkはインフラ丸ごと含めて開発しているという点で注目していたが、なかなか進んでいないようで、結局ベータ版で流れてくるコンテンツもBlueskyからの輸入が大半となってしまっている。
個人用
利用者毎にセルフホストを想定しているアプリやツール。
利用不可
動いている様子が確認できていないもの。今後リリースされそうなものもあれば、立ち消えてそうなものや、サービス終了したものもある。
最近のATプロトークは動作確認してから紹介する方針に切り替えているが、atprotoサービスが少なかった頃は開発中でも積極的に紹介していた。
- Campground: マルチメディアチャット
- atpage: ウェブサイト
- atBB: 掲示板・フォーラム
- Tinychat: チャンネル型チャット
- obsidat: ファイル同期
- Stellar: Bluesky絵文字リアクション
- Nexus Social Community: SNS?
- dekoboko: エンジニア向けSNS?
- OpenPDS: 記事マスター管理?
- shutters: 画像共有
- Cartridge: ゲームプレイログ・レビュー
- atmerchant: オンラインカタログ
- winesky.app: ワイン記録
- Annos(Cosmik): ウェブページにコメントや評価を追加
- Omni-Index: メディア共有(コメントにatproto利用)
- athost: HTMLマイクロブログ
- weaver: Markdownブログ
- Tomo: guestbookを題材にしたatprotoサービス開発教材
- SkyShroom: TCG(atproto上でカード定義や所有権管理)
- FAIR: atprotoを参考にしたWordPressパッケージマネージャプロトコル
- garganorn: POI共有
- atmerchant
- ATProto Wallet Linker: Ethereumによる送金プラットフォーム
- forumtest: ESAVを使ったフォーラムアプリ
- AT URL Shortner: URL短縮サービス
Footnotes
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これも2025年登場のサービスだが、ATプロトークで紹介し忘れていたのかリンクの張り忘れか、Blueskyの投稿からは発見できなかった。そのため、一覧には記載されていない。 ↩