Claude活用記録:2026年4月
2月〜3月の記録の続き。今回は対象範囲をすべてに広げた——コーディング、文章作成、自動化処理も含む。技術的な背景がない方にも読めるよう、専門用語は初出時に説明している。
リサーチ・情報整理
- 時事ニュース — 気になるニュースをリアルタイムでキャッチアップするのに活用。ホワイトハウス記者協会ディナーでのトランプ退避騒動は、当日夜にClaudeでブリーフィングした。
- 深掘りリサーチ — AIの安全性に関する数時間のリサーチセッション。AIシステムが意図しない目的を持つようになるメカニズム、モデルの規模が大きくなるにつれてそのリスクがどう変化するか、そして最新のセキュリティ研究が示唆することについて、学術論文や一次資料を横断して整理した。
- AIを使った脆弱性調査 — セキュリティ研究者がClaudeを使って古いソフトウェアのバグを発見している事例を調査し、この手法が業界に何をもたらすかを考察した。
- 論文ブリーフィング — BCG/Mollickの「ジャギーフロンティア」続報(Organization Science、2026年3月号)を読んで整理。AIが得意でない分野では逆に作業の質が下がること、チーム全体のアイデアのばらつきが縮まること(ひどいアイデアは減るが、際立ったアイデアも減る)が示された。
- ミッションブリーフィング — Hank GreenのArtemis II動画を探し出し、ミッションの概要を整理した(4月1日打ち上げ、4月6日月面フライバイ、人類最遠飛行記録の更新、クリスティナ・コッホが低軌道を超えた初の女性に)。デスクトップ壁紙用にNASAの高解像度写真も入手した。
- バックグラウンドリサーチ — 空手の人口動態の歴史(米国・日本)、教育系非営利団体に適用される米国データプライバシー法、地元の学校の数学習熟度別クラス編成の仕組み(保護者向けの実践的な説明として)。
文章作成
- メッセージ下書き — 車の中で音声メモを入力しながら、家族へのスケジュール変更の連絡文を下書きした。
- ブログ記事 — サプライチェーンの害比較に関する記事をWhiteWind(このブログ)にClaudeの一人称で執筆・公開。異なるサプライチェーンの人的・動物的コストを、一貫した「一人当たり年間」基準で比較した。
- 業務メール — 塾での保護者への連絡メールの作成フローを整理・改善。Gmailの下書きのフォーマット上の問題も修正した。
- 投稿下書き — 気づいたClaudeのバグについてBlueskyに投稿するための短い文章を下書きした。会話の途中でツールが画面から消えるが、バックグラウンドでは動き続けているというバグ。
日常生活・ロジスティクス
- 物件探し — 引越し先候補エリアの調査——通勤時間、予算感、街の雰囲気。
- 外出中の検索 — ドライブ中にイースターの日曜日も開いているスーパーを探した。
- 芽が出た玉ねぎの扱い方 — すでに芽が出た球根をどうするか。二年生植物の生態と、三つの選択肢。
- ワカモレの値段 — ChipotleがワカモレをEXTRAにする理由——メキシコのミチョアカン州への供給集中、需要の増加、この方針の歴史。
業務タスク
(私はアフタースクールの数学塾を運営している。)
- 受信トレイの整理 — その日の生徒のスケジュールと受信トレイを照合し、返信が滞っている保護者メールを特定した。
- スケジュール確認 — 入学者データのスプレッドシートを複数バージョン比較し、差異を洗い出した。
- 生徒の試験準備 — 保護者との連絡履歴を確認し、試験資料のPDFを読み込み、学習プランを取得したうえで、直近のテストに向けた複数回分のセッション計画を作成した。
- メール履歴からの方針確認 — フォローアップの前に、ある家庭との過去1年分のやり取りを検索し、これまでに伝えた内容を確認した。
- 生徒の進捗確認 — 生徒管理システムから特定の生徒の直近セッションデータを取得し、扱ったトピックと進捗を整理した。
- カリキュラム検索 — 特定の生徒の学習上のギャップに対応するカリキュラムのトピックコードを特定した。
- 業務上の疑問 — 旧アカウントに紐づく過去の記録にアクセスするための選択肢を調査。また、メールの返信慣習についての自分のデフォルト行動を見直した。
トラブルシューティング
- プリンターの診断と買い替え検討 — 繰り返し起きる紙詰まり問題を診断し、交換部品を特定。修理費用と新モデルへの買い替えを比較した(推奨付き)。
- iPhoneの防水性能 — IP68規格の詳細、Appleが実際にテストしたパラメータ、実際の使用における限界を調べた。
- macOSでのファイル削除 — コマンドライン(ターミナル)でのファイル削除方法の違いを調査し、より危険に見えるデフォルトの方がなぜ良い習慣かもしれないかを整理した。
Bluesky・ソーシャルメディア
- パーソナライズドフィード — このカテゴリで一番面白い変化。「Mutuals (Filtered)」というカスタムBlueskyフィードをClaudeが管理するようになった。今はこれをデフォルトフィードとして使っている。いいねの履歴と「もっと見る/少なくする」フィードバックをもとにClaudeが好みのプロファイルを構築し、フォロー中の人の投稿をスコアリングして、少しずつ好みに合わせてフィルターを更新し続ける仕組み。別途、2ヶ月分のいいねのパターンを分析して、最近の投稿からおすすめの読み物リストをワンオフで作ってもらったこともある。
- ソーシャルグラフ分析 — 特定のアカウントについて、自分がフォローしている人の中で何人がそのアカウントをフォロー・ブロックしているかを調べた。
- スレッドの解読 — 返信スレッド内のジョークを解読した——政治的調整の難しさとAI安全性の難しさを重ねたダジャレ。
- Alt-text作成 — 3件の投稿に画像の説明文(alt-text)を作成した——NASAの月面写真、Claudeのスクリーンショット、メモアプリのスクリーンショット。
- WhiteWind — WhiteWindはこのブログが公開されているプラットフォーム。2〜3月の記録、その日本語版、サプライチェーン比較記事を公開した。
データビジュアライゼーション
- Blueskyのいいね推移 — 2024年11月以降の累積いいね数の推移をグラフ化し、急増したタイミングに注釈を付けた。最も増加した日の要因も特定した。
- 妊娠と認知機能 — 妊娠が記憶や思考力に与える影響について文献を調査し、Claude.aiのビジュアライゼーション機能を使ってインタラクティブなグラフを作成した。データが途切れ、外挿が始まる箇所を正直に示した。
- 給与比較 — カリフォルニア州のある学区における教師と言語聴覚士(Speech-Language Pathologist)の給与を2010〜2025年で比較した横棒グラフ。実数とインフレ調整済み数値を切り替えられる。
自律的な処理
自分が関与しなくても定期タスクが自動で動くようになった。起動し、処理を完了させ、確認用のアウトプットを残していく。外部システムへの送信や書き込みは、私の承認なしには何も行われない。4月は67セッションが走った。いずれもインタラクティブなやり取りではない。
- 日次オペレーション — 3つのGmailアカウントをスキャンし、スレッドを分類して返信の下書きを作成する。Obsidian(メモアプリ)に日次レポートと日報を記録し、個人プロジェクトの自動テストが通っているかを確認し、カレンダー上の予定を拾い上げる。下書きの量は静かな日で数件、一斉メールへの返信が来ると18件になることも。4月のある実行では、前日に自分が引き込んだバグを検知し、修正をマージしたうえで、私が起きる前にデプロイし直した。別の実行では、誤った宛先に送られたメッセージを発見し、お詫びの下書きをキューに追加した。
- 日次レビュー — 夜11時頃に起動し、その日あったことを振り返り、メモやパターンを長期記憶に統合して、要確認事項をフラグとして残す。
- CRMデータ確認(週次) — 全センターの生徒管理システムに接続し、在籍生徒のデータ品質を確認する(重複レコード、IDの欠落、フォーマットの問題)。結果を「新規・解決済み・継続中」に分類する。
開発・構築
今月の技術的な作業のほとんどはインフラ整備——他のすべてを支える基盤づくりだった。
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ブラウザ操作のリモートツール化 — 今月最大の開発。以前はClaudeがChrome(ブラウザ)を操作できるローカルの仕組みがあったが、自分のマシンでしか使えなかった。これをリモートからアクセスできるツールとして作り直した——認証レイヤー、Cloudflare(ネットワーク経路サービス)トンネル、自動テストパイプライン、macOSのバックグラウンドサービス、自動デプロイエンドポイント。今はclaude.ai上のどのセッションからでもブラウザを操作できる。
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記憶システムの安定化 — ClaudeはセッションのたびにローカルDBから記憶を読み込む。2つの障害を修正した——Webの環境ではパス探索の前提が合わずサイレントに失敗していた点と、トンネルの再接続タイミングで起動がタイムアウトすることがあった点。
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マルチ環境対応の起動ルーティン — セッション起動ルーティンが、3種類のClaude環境(Web、デスクトップエージェント、コードエージェント)それぞれに応じた処理をするようになった。
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コンテキスト圧縮後の復元 — デスクトップエージェントがワーキングメモリを使い切って圧縮を行った後、ロード済みの状態を失わないよう、起動ルーティンを再実行するフックを追加した。
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進捗レポートメールのパイプライン拡張 — 生徒管理システムからデータを取得して保護者向けの進捗レポートメールを下書きするシステムを拡張した。トピックを3段階に分類するフレームワーク、学年に応じた文章構成ガイド、エッジケースへのトラブルシューティングを追加した。
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ネットワーク層の改善 — ゲートウェイエラー全般に対して自動リトライを拡張した。別途、外部のプローブデータをもとにサンドボックスネットワーク層の障害を6種類に分類したうえで、誤検知を出していた診断ロジックを修正した。
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タスク引き継ぎプロトコル — 別のClaudeセッションにタスクを引き継ぐ際の指示書を更新した。探索的な作業と実装作業を区別するガイダンスを追加した。
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フィルター付きBlueskyフィードのエンジン — 上で触れたパーソナライズドフィードの中身を構築・デプロイした。1時間ごとに動き、テキストと埋め込み画像の両方を使って投稿をスコアリングする。「もっと見る/少なくする」の明示的なフィードバックから学ぶキャリブレーションループを備える。リモートデプロイと自己再起動のエンドポイント、公開フィード表示用のカーソルページネーション、レート制限や部分的な失敗からの復旧処理も含む。
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個人インフラのダッシュボード — Claudeの外部アクセス(ネットワークリクエスト、サードパーティAPI、自分のマシンのファイル操作)をゲートしている認証サービスを監視するためのWeb UIを新規構築した。リアルタイムのリクエストログ、サービスごとのアクティブセッション、ヘルスステータス、レート制限の余裕を表示する。ダーク/ライトモード対応、小型ラップトップの4分割画面でも崩れないレスポンシブ設計。コードを書き換えてpushすると自動的に自己デプロイする。
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コンテナ化されたジョブランナー — Mac上の隔離されたコンテナで長時間スクリプトを実行するサービス。フルインターネットアクセスと自動クリーンアップ付き。Claudeの通常の短命スクリプトのタイムアウトを引き上げ、音声の文字起こしや大規模なデータ取得など、計算量が多いタスクにも対応する。
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静的ツールのホスティングサイト — 単発のWebツールや読み物を公開するための新しいサイトを専用のサブドメインで立てた。最初のページは80,000 HoursのMacAskill回トランスクリプトのアノテーション付き版で、ソーシャルカードのプレビュー用メタデータも整備した。Cloudflare Pagesのgit連携で自動デプロイされる。
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塾スタッフ向け内部ツール — 塾のスタッフ用の内部サイト。生徒検索(学習プラン、習熟度、セッションノート、保護者の連絡先、アカウントIDがリンクされている)と、テキスティングツール選定時に使ったSMSフォーマット比較ページ。スタッフがログインフォームを見なくて済むよう、自動認証されるようになっている。
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保護者向けメール作成システム — 保護者向けメール(スケジュール、休会、講師紹介、フォローアップなど)の下書きを作成する正式なフレームワーク。実際の塾の運用方針が反映されるよう、別途ポリシー参照モジュールを用意した(書面上のルールではなく、現場で実際にどう運用しているか)。日次オペレーションのループと、その都度の下書きリクエストの両方から使われる。
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カリキュラム検索の刷新 — 数学カリキュラムのクロスリスティングを全22トピックエリア(1700以上のトピック)にわたって再実行した。特定のスキルで検索したときに、そのスキルが公式にどのトピックファイルに分類されていても、もっとも関連性の高いコードが返ってくるようになった。本部が新しい教材を追加したときに数時間で同じことを再実行できる手順書も整備した。
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Claudeのローカルリソースアクセス — Claudeが文字起こしのためにApple Voice Memos(音声メモ)のファイルを読めるようにし、視覚的な参照のためにYouTube動画から個別のフレームを取り出せるようにし、ホームディレクトリ内のファイルを検索・読み取りできるようにした。Obsidian(メモアプリ)のVault内のファイル移動はObsidianのコマンドラインツールを経由するようになり、Claudeがファイルを整理してもメモ間のwikiリンクが壊れない。
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Web経由の自律的なClaude — Web上で動く自律セッションの裏側の設定を整備した。作業開始前にアイデンティティ、記憶、モジュールカタログを読み込むスタートアップフック、その設定自体を安全に編集するための手順(通常のエディタは安全上の理由でロックされているため)、そしてvendoringされた記憶ライブラリが上流とずれていないかを毎日チェックする仕組み。これによって自律セッションのループが、スマホを含む任意のブラウザからアクセス可能になっている。