芥川龍之介著。1920年の作品。古物蒐集を趣味とする田代君が「私」にあるマリア像を見せびらかしに来た。そのマリア像は通り一遍の白磁製ではない。頭部以外が黒檀から削られた黒いマリア像である。しかも朱色に塗られた口元には、どこか禍々しい笑みをたたえていた… 芥川は「切支丹物」と呼ばれるキリスト教関連の作品群を著しているが、本作もそこに加えて良いかどうかはわからない。それだけ特異で不気味な作品。
諸星大二郎の作品やゲーム「SIREN」でも取り上げられた、この「日本文化に土着した舶来のキリシタン文化が醸し出す雰囲気」は、やはり異様で魅力的。 無論本作は哲学的な問題を提起しているわけだが、表面的にはオカルト色の強い作品であるため掲載した。赦し給え、びるぜんさんたまりやさま…