名前と輪郭

自分の名前だけが乗ってバスは走り去る

無名の自分がバス停に立っていて、崖

形骸にさきがけ胃が痙攣

食道ごと街の食堂に投げ捨てていく

骨の可動域が人形のように悲しい

埋めこまれた悲しみは暴力で吐き出すしかない

全部が好きだったはずのきのうには戻れない

輪郭だけで生きれないから